episode14

「この国の景色はかなり変わったわね」

 

「僕達の遊んだ庭や街は工場になってしまったな」

 

1年以上足を踏み入れられなかった私達の国は花の都と言うよりは少し灰がかかったような薄暗い景色が広がっていた。

 

「着きました。モニカ様」

 

「ええ。」

 

「どうぞ」

 

ガチャ…

 

「…!!全部、一緒…_______「ジェラルドが

用意してくれていた家らしいよ。」

 

「相手方のマフィアからの報酬として家を用意させたらしく、この家をモニカ様の為に…」

 

「…彼が、あの時クラブで話していたのは、私の家のことだったってことなのね。」

 

「そうかと。」

 

「分かったわ。ありがとう。貴方とアンリは家へ帰って。少し、一人にしてくれないかしら」

 

「かしこまりました。では、失礼します」

 

彼らが去った後、複雑な気持ちに私は襲われた

こんな家に住んでいいのかという気持ちと、ジェラルドへの感謝しきれない思いが交錯する。

 

家は時を止めたかのように以前のまま復元されていた。家の中を歩けば歩くほど、辛い記憶より楽しかったあの頃が蘇る。傷が癒えた証拠と言えるだろう。

 

私はこの家に住みながら、孤児院の子供たちのために、孤児院を残してくれたジェラルドの為に月に一度あの街に足を運ぶようになった。