episode12

あの日から数日が過ぎ、警察のガサ入れが至る所で行われた。ジェラルドは姿を消し、ファミリーは散り散りになった。

 

コンコン…

 

「警察だ。開けろ」

 

「アンリ!______「モニカ様、落ち着いて。

私が対応します」

 

「いるんだろ?出てこい」

 

「はい。ご用件は何でしょう。」

 

「ジェラルド ゲイナーという男を探している。

知っていることを全て言うんだ」

 

「私達はこの崖の家から下へは行きません。

なので、あなた方の言っている人の事はよくわかりませんが…」

 

「じゃあ、おまえが王族の側近で生き残っている事を国民が知ったらどう思うんだろうな。

ヴィヴィアンパラディール」

 

「どうしてそれを…!」

 

「よう。警察の皆々様。そして、アンリとモニカ、ヴィヴィも。お久しぶり。」

 

「おい!ジェラルド ゲイナーがこの家から出てきたぞ」

 

集まってきた警察にどよめきが広がる

 

「警察の皆様、チャイニーズマフィアへの孝行お疲れ様でした。」

 

「何を言っているの…!ジェラルド!」

 

「黙っててくれないかモニカ。

また口、塞ぐぞ…って事で、ははっ。

お話と行こう。

この街の警察。いや、この国の警察は隣国をクソにしたマフィアどもに魂売ったんだろ?

今俺に突きつけてる銃、中国製だし、分かり易すぎるんだよ。ジャンの話ではここ2、3年長官が色々制度を変えてるらしいな。」

 

「おまえその口を閉めないと、うつぞ!」

 

「いいや!黙らないね。まさか国全部の警察を買い占めるとは…。」

 

「おまえら!銃かまえろ!」

 

「いいのか?俺の声が全世界に発信されているのも知らないまま俺を殺しても。」

 

「あっ…!」

 

そう言ってジェラルドはアンリの髪を引っ張り頭に銃を突きつけた。

 

「アンリ…!!!___「アンリ様!!」

 

「結局は、おまえのクソ両親が色々仕込むからいけないんだ。」

 

 

空気が一気に緊迫した。

 

「ヴィヴィ!やめて!」

 

「ジェラルド!!!!!アンリ様には触れさせません!」

 

完全にヴィヴィの銃口はジェラルドの方を向いている。

 

「触れられたくなければ、僕を撃ち殺せばいい

さぁ。分かるだろ?」

 

「だめよ、ヴィヴィ!!

ヴィヴィが人殺しになってしまう。!」

 

「はやく、撃てよ______

 

大きな銃声が一発だけ部屋に響いた。

 

 

大量の血が床を染める

警察は事実を隠蔽するためなのか、

銃を下ろし足早に帰っていった。

 

「ジェラルド…!血が。」

 

「ああ。まあ、想定内かな…」

 

「私…なんて事を…」

 

「ヴィヴィ!

そんなこと言ってら暇なんてないわ!

先生を呼んで!!」

 

「ジェラルド、意識を保って…!先生が来るまで、もう少しだからね。ね?」

 

 

何分が経っただろう。きっとそんなに経っていないはずだ。しかし、そんな1分が今はとても長く感じる…

 

 

「モニカ…!」

 

「先生…!!____「モニカは下がってて」

 

「アンリと一緒に居るんだ」

 

「わかった。」

 

あれから何時間が経っただろう。

夢と言う楽しい記憶の中に私は体を沈めた。