2019-02-01から1ヶ月間の記事一覧

episode12

あの日から数日が過ぎ、警察のガサ入れが至る所で行われた。ジェラルドは姿を消し、ファミリーは散り散りになった。 コンコン… 「警察だ。開けろ」 「アンリ!______「モニカ様、落ち着いて。 私が対応します」 「いるんだろ?出てこい」 「はい。ご用件は何…

episode11

「アンリ。ここは?」 私達3人は丘から少しまた登った所にある崖の上にある古びた古民家に来ていた。 「んー?ここは______「王家が代々引き継いでる亡命のための一時的なシェルターのようなものです。」 「そう。ヴィヴィはなんでも知っていたのね」 「…。…

episode10

「久しぶりだな。みんな」 続々と部屋に集まってくる。 「お嬢ちゃん、今朝ぶりだね」 「リュウさん!…なんだかスーツを着ると雰囲気が変わるのね」 黒ずくめで部屋に入ってくる彼らはとても洗練されていたと同時に不気味なオーラをまとっていた。 「モニカ…

episode9

「おかえり。書斎の奥、あの部屋で話そう」 「ええ。そうね」 部屋に入ると以前と変わらない様子で壁じゅうに資料やメモが貼られていた。 「それで、真相はどうなのよ?」 「そうだな。結果から話すと、革命に誘導していったのは俺らや、アイツらの家の家臣…

episode8

真っ暗な街に太陽が昇り始めた頃、 シャッターの開いたガラス張りの店に自然の明かりが差し込む。 目が覚めると毛布がかけられていた。 _______どうしてあんなに疑ってたんだか… 「おはようございます。お嬢ちゃん」 「おはよう。リュウさん」 「昨日の夕飯…

episode 7

何もわからずヴィヴィの運転する車に乗り込んだ。 「その…______「お迎えが遅れてしまい申し訳ありませんでした」 「大丈夫だけど、、どうして_____「その話は後で詳しくお話しさせていただきますので、これから、このお店で頼んだ物を取りに行きます」 渡さ…

episode6

「で?シャル、この女でいいの?」 「そうだけど?」 私そっちのけで男2人で会話する内容は、クラクラする頭にははいってこなかった。 「じゃ、逮捕するから」 「はっ?!なんの罪で!」 「飲酒と、これ、見覚えないとは言わせないから」 「知らない!そんな…

episode5

夏になった。真夏のイタリアは雨の降ることのないカンカン照りが続いている。 私はあの日、部屋の壁に貼られていたあらゆる資料の記憶の断片を紙におこし、1人、真実を知るため調べ始めた。 孤児院を出て何処か部屋を探してこれからは 1人で生きていくつもり…

episode 4

背中に突き付けられた銃の冷たさと、 張りつめた空気、 嗚咽を抑えながら少し荒くなった息遣い、 全てがその部屋の空気をひんやりとさせている要因となっていた。 銃を突きつけている本人は私の無意識の一言に少し驚いたようだった。 彼が今まで見てきた人間…

episode3

計画決行の日は日差しの強い5月のことだった 彼は天気がいいと外で無邪気に遊ぶ子供達を眺めながら、タバコを吸う。きっと彼にとってそれが一番の安らぎなのかもしれない。 私は先生に言われた通り、彼のベストのポケットに収まっている書斎の鍵を取る為に彼…

episode2

契約を交わした日以来、彼には会っていない。 時が経ち、貴族として生活していた頃とはかけ離れた貧しく質素な生活をおくっているが、 子供達と過ごすささやかな時間が私の悲しみを癒していった。 誰も助けてくれる人は居なかった。時間だけが私を救ってくれ…

episode1

20XX年 12月25日 クリスマスソングが流れるリビングに 大きなクリスマスツリー、溢れる家族の笑顔 全てが完璧なはずだった。 私がチャイムのなるドアを開けなければ。 私が両親の言う事を無視してずっと側にいれば 私があの時、家族を置いて家を燃やさなけれ…

Desperados あらすじと人物設定

〜あらすじ〜 20XX年、時間軸の異なるイタリアが舞台 架空の街、ラモルテを牛耳る8人のマフィアファミリーの物語。 隣国の王政が崩壊し、イタリアに命かながら亡命した主人公、孤児院に身を寄せ子供達の世話をしながら貴族の頃とはかけ離れているものの静か…