episode 4

背中に突き付けられた銃の冷たさと、

張りつめた空気、

嗚咽を抑えながら少し荒くなった息遣い、

 

全てがその部屋の空気をひんやりとさせている要因となっていた。

 

銃を突きつけている本人は私の無意識の一言に少し驚いたようだった。

彼が今まで見てきた人間はきっと命乞いしかしてこなかったのだろう。

 

「革命も、私達の家を襲ったのも貴方たちが裏で手を引いていたのね…」

 

「これが僕らの仕事なもんでね_____はぁ…。

 

     少し、話そう。」

 

銃を下ろし、手を引いてテーブルの前まで私を連れイスを引いてくれる彼の行動はついさっきまで銃を突きつけていた人間だとは思えないなんとも自然なものだった。

 

「なにが聞きたい」

「全てよ…」

 

「全て…か…。すまないがこたえられない。」

 

「どうして…?!どうして両親は私をマフィアに預けたの。革命は起こるべきだった?私は…

私は、どうして生きているの…」

 

気づかないうちに、口から気持ちが溢れ出ていた。

 

「知る覚悟が出来てからきいてくれ。感情に踊らされている君に話すことはない。」

 

「…どうして。」

 

「1つだけ言っておこう。君をここで預かっているのは、僕でも、先生でもない。君の両親の願いだ。貴族である一家の子孫を残すため。

隣国からここまで歩いてこれる体力と、若さがが必要だった。」

 

彼が言う言葉に嘘は感じられなかった。

 

「わかったか…? もう、部屋に戻ってくれないか。ここがバレると困るんだ。」

 

書斎を飛び出し、自分の部屋に駆け込む。

扉を閉めたとたん。涙があふれた。

 

______どうして。両親は私をマフィアなんかに託したの…。

 

涙がこぼれ、疑問が頭の中を渦巻いて

知らぬ間に私は目を閉じていた。

 

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コンコン…

 

「モニカ。入ってもいいかな」

 

「ええ。」

 

あれから数日が経ち、かろうじて食べ物を口にできる程にまでは回復した。しかし、未だに部屋からは一歩も出れていない。

 

「モニカ。その…。僕の事を刺してもいい。

殴ってもいい。君のやり場のない気持ちが発散されるなら僕はなんでもする」

 

「それじゃあ、話して。私の事をどうして監視してたの。報告書にまとめて、アイツに!!

アイツに淡々と渡す作業は楽しかった?誕生日もイースターも一緒にお祝いしたじゃない…

あれは…嘘だったの…?」

 

私は先生の胸を沢山、力なく叩いた。

 

「ごめん…。謝ることしかできないんだ。

君たち家族と過ごした沢山のイベントはどれも本当楽しかった。すべて。」

 

「なら…。話してよ…」

 

涙を堪えて言葉が震えた。